別宮 春
Bekku, spring




雪解けの頃   Thaw

「氷ノ山」と書き,一般的には「ひょうのせん」と読む。だが,熊次の年長者たちは「ひょうざん」とか「こおりのやま」と呼んでおられる。ある年長者によると,播磨北部では須賀ノ山といい,「すがのせん」とか「すがのやま」と読むらしい。「すが」は「すが漏り」のすがで,氷を示す。国土地理院地形図では,今でこそ「氷ノ山(須賀ノ山)」と記されているが,長い間,「須賀ノ山」とのみ記されていた。写真でも頂上よりさらに右側(西北西)から左側(東南東)へ溶岩が流れ出たことがみてとれる(M.K.氏よりご教示頂戴)。別宮の棚田では,雪が融けると湧水から流れ出た水が引き入れられ,そこに映る「逆さ氷ノ山」を撮るべく,カメラマンたちが腕を競う。でも,どうか農作業のお邪魔にはならないように。

1999年2月撮影, MINOLTA New X-700, MD 28mm F2.8, FUJI SUPER 100


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