奈良産業大学 全学部 教養科目
地理学:地域研究の基礎
2004年度

講義概要  ある地域の研究をしようとする時,その地域の自然環境と歴史的変化を踏まえ,さまざまな分野の人間活動を把握することによって,その地域の実像にさらに近づくことができる。その際,広い分野を対象とする地理学はその手がかりとなり,基礎的なツールともなる。地理学の授業では,具体的な事例を通して地理学のさまざまな分野について解説する。
 授業では,まずはじめに地理学の枠組みについて述べた上で,前期は,気候,地形,沖縄島の観光「資源」を通して,自然環境と人々の生活との関わりについて考える。後期は,第二次大戦後に大きな変化を遂げ,近年ではグローバル化のなかで変貌する日本社会について,食料生産,工業,小売業,地域政策を事例に考えていく。また,地域の過去の姿や歴史的変遷についてあつかう歴史地理の分野から,古代日本の都市について取り上げる。最後に地域研究として,アメリカ合衆国ハワイ州を取り上げ,地域の実像の把握に迫る。なお,授業では,地域研究に必要な情報・資料の入手方法やその活用などについてもふれたい。ただし,時事的な話題に変更することがある。
授業計画  授業の計画はおおよそ次の通りである。
 1. 地理学とは
 2. 気候(桜前線,地球の温暖化と都市の温暖化)
 3. 地形(近畿地方の地形,地すべり地形,奈良盆地の水害)
 4. 沖縄島の観光「資源」
 5. 日本の食料生産と食生活の変貌
 6. 阪神工業地帯の形成と変容
 7. 日本の小売業の変容
 8. 過疎と過密:第二次大戦後の地域開発政策を考える
 9. 平城京・平安京の都市プラン
10. ハワイの産業と社会の変容
履修上の
留意事項
教科書,配布プリントを用いながら,板書を中心に授業を行う。時々出席を取る。
教科書 橋本征治編『人文地理の広場』原書房,2001年
参考書 適宜紹介する。
試験 前期・後期のそれぞれの試験(筆記)と出席点で総合評価する。

※試験以外は講義要項提出原稿より転載

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