奈良産業大学 全学部 教養科目
地理学:地域研究の基礎
2005年度
講義概要 | ある地域の研究をしようとする時,その地域の自然環境と歴史的変化を踏まえ,さまざまな分野の人間活動を把握することによって,その地域の実像にさらに近づくことができる。その際,広い分野を対象とする地理学はその手がかりとなり,基礎的なツールともなる。地理学の授業では,具体的な事例を通して地理学のさまざまな分野について解説する。 授業では,まずはじめに地理学の枠組みについて述べた上で,前期は,気候,地形,日本の伝統的な生活を通して,自然環境と人々の生活との関わりについて考える。後期は,第二次大戦後に大きな変化を遂げ,近年ではグローバル化のなかで変貌する日本社会について,食料生産,工業,小売業,都市化,水道事業を事例に考えていく。最後に地域研究として,兵庫県北部のスキー観光地域を取り上げ,地域の実像の把握に迫る。なお,授業では,地域研究に必要な情報・資料の入手方法やその活用などについてもふれたい。ただし,時事的な話題に変更することがある。 |
授業計画 | 授業の計画はおおよそ次の通りである。 1. 地理学とは 2. 気候(桜前線,地球の温暖化,都市の温暖化) 3. 地形(近畿地方の地形,大和川の水文誌) 4. 日本の伝統的な生活と自然環境 5. 日本の食料生産と食生活の変貌 6. 阪神工業地帯の形成と変容 7. 日本の小売業の変容 8. 関西の鉄道発達と都市圏の拡大 9. 京阪神地方の水道事業の展開 10. ハワイの産業と社会の変容 |
履修上の 留意事項 |
教科書,配布プリントを用いながら,板書を中心に授業を行う。時々出席を取る。 |
教科書 | 橋本征治編『人文地理の広場』原書房,2004年 |
参考書 | 適宜紹介する。 |
試験 | 前期・後期のそれぞれの試験(筆記)と出席点で総合評価する。 |
※試験以外は講義要項提出原稿より転載