奈良大学 環境論VI
暮らしの変化と環境
2006年度 後期

講義概要・学習目標  いまわれわれが日本で眼にする「自然」環境のほとんどは,人間が長い営みの中で本来の自然を改変することで形成されてきた環境である。これらの改変は,かつてはゆっくりとした速度で行われてきたため,地域の環境は大きくバランスを崩すことなく持続されてきた。しかし,大正期以降の工業化,とくに高度経済成長期以降の急激な工業化の進展にともなう日本の生活様式の変化により,地域の環境は著しく改変されてきた。そして,そのことが原因となって地域の環境の仕組みに異変が生じ,日本各地で環境問題が発生してきている。その一方で,環境のバランスを現在まで保ってきた地域や,破壊された環境の復元を進めてきている地域もある。
 本講義は,主に近畿地方を中心とした環境問題や環境保全の事例を示し,それらの仕組みやあり方を読みとることで,日本の暮らしの変化と環境問題との関わりを学ぶことを目的とする。
授業計画  1. ヒートアイランド:大阪府
 2. ハゲ山と水害:六甲山地
 3. 湖畔の人々の暮らし:琵琶湖
 4. 砂浜の危機:和歌山県白良浜,神戸市須磨浦
 5. 放置される竹林:京都府南部地域
 6. 水路のある暮らし:岐阜県郡上八幡
 7. 歴史的環境の保全:奈良盆地
 8. 雪国の地下水問題:福井県大野盆地
 9. スキー観光と水:兵庫県ハチ高原
評価方法・基準 学期末の筆記試験,小レポート,出席状況により評価する。
テキスト 使用しない。
参考書・履修上の注意事項等 特になし

※講義要項提出原稿より転載

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