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2006年11月20日

あの時を風化させないために (06/10/3〜06/10/10)

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#0017「阪神淡路大震災の記録展」
レポート 中村智也(人文学部2年生)
2006年10月3日から10月10日までの間、神戸市長田区の長田区役所にて「阪神大震災の記録展 ?寅さん長田に帰る?」が開催された。

「6:00パン到着、11:00果物到着。」「食べ物が同じで飽きる、狭く空気が汚い」

避難所での出来事や避難者の心情が事細かに記録された避難所日誌は、避難所生活の切迫した状況を現在の私たちに思い起こさせる。倒壊した家屋、ひび割れた道路、11年前の阪神大震災の様子がまるですぐそこで起こっているかのようにその写真は見るものに生々しく語りかける。今回の展示では、震災の惨状を表わすグラフや写真とともに、避難所生活の一部始終が書きとめられた避難所日誌が公開された。

この展示は長田区役所の職員有志で構成された「人・街・ながた震災資料室」の主催で行われ、震災の記憶と記録を後世に引き継いでいこうという願いの下、1997年から毎年開催されているものだ。

 今年の展示のサブテーマは「寅さん 長田に帰る」。「男はつらいよ」の最終作品の撮影が震災直後の長田で行われたことにちなんで企画されたもので、水本ゼミが全面的にバックアップし、「男はつらいよ」の全作品のポスターを解説付きで展示するなど、震災の悲惨さを伝える展示の中、こころ安らぐ空間となった。

 今回の展示では、水本ゼミが全面的にバックアップし、震災の記録をさまざまな角度から捉え、展示を行った。


水本浩典教授のコメント

「大学という研究の場が地域の活動に参加した場合、その調査や報告が地域に還元されないケースがよくあります。そういった意味で、今回は日頃の研究成果がダイレクトに地域に還元されたのではないかと思います。忙しい合間を縫って準備に奔走したゼミ生たちはたいへんだったようですが、それも貴重な経験になったことと思います。これからも地域の方々とのつながりを大事にしていってほしいですね。」


人 ・ 街 ・ ながた震災資料室
1995年1月17日の早朝、兵庫県南部は震度7を記録する激震に見舞われ、神戸の街は甚大な被害を被った。とりわけ長田区の被害は最大級ともいわれ、建物の大半が全壊し、多くの死者、負傷者を生んだのである。また、被災後すぐに長田の街は食糧、寝床を失い避難所生活を送る区民で溢れかえった。誰も予期できなかった突然の事態、機能しない災害マニュアル。そんななかで、避難生活の一挙一動を支えたのは学校教諭、区役所の職員、全国からのボランティアであった。彼らが見た日々を克明に記録した避難所日誌を整理、保存するのが震災資料室の主な活動だ。そういった震災の一次資料となるものを積極的に保存、整理しようと区役所職員は立ち上がったのだ。
資料室を運営する区役所職員は「最も近いところで災害の現場を見続けた私たちが、この体験を「資料室」を通して他の地域にも伝え、二度と惨劇を繰り返さないための予防線になれば」と話す。
2003年に地下鉄火災が発生した韓国の自治体が長田区役所を訪れ、阪神大震災での避難活動の実態などを聞いたという。今、韓国国内では防災対策の見直しが図られており、こういうところにも震災資料室の資料が役立っている。


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