


歴史情報論方法論 I
水本 浩典
- 教育目標
- 日本史学研究者としての必須の研究手法を修得する。
- 授業内容
- 本年度は、昨年度に引き続き、日清戦争に参加した兵士が書いた日記 『支那征伐陣中日誌』 を読み進める。
近代の民衆が書いた自筆本に慣れるとともに、国際環境・用語・地理など、記録された内容を理解するためのアプローチを、
読み進める過程のなかから発見し実施することで修得することを目指す。
(1) 自筆史料の解読方法を学ぶ
(2) 史料解読のための参考書を使う
(3) 歴史用語を調べる
(4) 歴史的な地名を調べる
(5) 制度にアプローチする
など、基本的な研究方法の修得を実際の史料に即して行う。
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歴史情報論方法論 I
植田 俊郎
- 教育目標
- 歴史学におけるコンピュータ利用の習得
- 授業内容
- 歴史学でコンピュータを利用することは、現在ではごく普通のこととなっている。しかし、それは、せいぜい統計表をグラフ化したものにすぎない
場合が少なからずある。
本講義では、計量分析の方法ならびにその有効性について下記のテキストに基づいて論述していく。先ず、平均と分布、
次いで時系列と指数、そして変数観の因果連関を、史料から抽出した数量的データを使いながら分析する。最後に、こうした歴史学における計量分析の
限界を考察する。
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歴史情報論方法論 II
水本 浩典
- 教育目標
- 前期に学んだ日本史学の研究方法を実際に使ってテーマにアプローチする。
- 授業内容
- 本講義で対象とする 「文化」 は、知的生産活動及びその成果といった意味ではなく、ある特定集団における日常生活から価値観にいたる
生存システムを指す。生死観、社会的結合関係、物質生活など、この文化の構成要素をアンシャン・レジーム下のフランスを対象にして、
下記のテキストに従いながら構造的視点から、次いで時系列的な変容を分析し検討する。
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歴史情報論方法論 II
大原 良通
- 教育目標
- 基本的な論文の書式や構成を学び、 自己の研究テーマに生かす。
- 授業内容
- 論文の基本である、 史料、 先学の研究、 論者の結論の区別をはっきりさせるために、 いくつかの論文について、 その構造を明らかにしていくという訓練をおこなう。
広い視野から自己の研究テーマを位置づけるために、 概説書の輪読をおこなう。 本の選定にあたっては受講者と協議する。
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歴史情報論特殊講義 I
植田 俊郎
- 教育目標
- アンシャン・レジーム下フランスにおける文化の理解
- 授業内容
- 本講義で対象とする 「文化」 は、 知的生産活動及びその成果といった意味ではなく、 ある特定集団における日常生活から価値観にいたる生存システムを指す。 生死観、 社会的結合関係、 物質生活など、 この文化の構成要素をアンシャン・レジーム下のフランスを対象にして、 下記のテキストに従いながら構造的視点から、 次いで時系列的な変容を分析し検討する
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歴史情報論特殊講義 II
山﨑 善弘
- 教育目標
- 近世後期の領主支配と地域社会の関係について考え、 近代への展望を得る。
- 授業内容
- 80年代以降、 中間層を中心に置く地域社会論が盛んに議論されるようになったが、 そこでの主眼は地域の自治的運営に置かれていた。 その結果として、 従来の地域社会論においては支配の問題が本格的に論じられることはなかった。 本講義ではそうした地域社会論の弱点を克服し、 地域社会の構造を全体的に理解するための途を探りたい。 具体的には、 第一に、 領主支配を地域で実現する主体として、 中間層から任命された 「取締役」 などの中間支配機構に注目する。 そして、 近世的政治文化の機軸たる 「百姓成立」 を現場で支える彼らの姿から、 近世領主支配の拡張を問題にしたいと思う。 第二に、 地域社会における自治的運営と領主支配との相互関係性を問題にする。
なお、 フィールドは畿内・近国、 就中播磨国の幕領・御三卿領知である。
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地理情報論特殊講義 I
吉田 雄介
- 教育目標
- 地域の全体的把握
人文地理学という分野は幅広い分野を包含するが、 その基本概念は、 実際の研究活動において地理学のみならず他の分野にも役立ちうるものと考えうる。 そこで、 本講義では、 地理学の基本概念の理解と地域の全体的把握を習得することを目標とする。 また、 地域把握において重要な分析ツールとなる統計情報にも着目する。
- 授業内容
- 本講義では、 第一に、 地理学の歴史と基本概念について講義する。
第二に、 地理学の統計情報の利用方法を考察する。 地理学的な研究では、 国勢調査を代表とする各種統計を基礎的資料として重視し、 これら情報を地理的な分析ツールとして利用する。 つまり、 統計類によって、 特定の地域をより広い地域に位置づけたり、 他地域と比較することができる。 そこで本講義では、 地理学研究における統計や使用方法を検討することで、 地理学的方法およびその問題点について考えてゆく。
第三に、 本講義では、 受講生諸君の関心領域と接点を持つ地理学の論文ないし文献の紹介を通して、 地理学の考え方・手法を学んでゆきたいと思う。
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地理情報論特殊講義 II
吉田 雄介
- 教育目標
- 地図と地理学研究
本講義では、地理学研究における地図の使用方法を検討することで、地理学的方法およびその問題点について考えてゆく
。さらに、地図をツールとして地理的な情報の利用方法の習得を目標とする。
- 授業内容
- 人文地理学という分野は幅広い分野を包含するが、地理学的な研究において地図は有力な表現方法である。情報という観点から地図を見るならば、
地上のものをすべて地図上に描き表すことはできないから、地図上では現実の世界をすべて表現しているのではなく、一部のものを省略したり、
記号や約束を使って表現する。そこで、本講義では、地図に表現される情報を理解する方法を検討すると同時に、地図に描かれた情報から逆に現実の
世界の情報を読み取る方法を検討する。
手順としては、第一に、本講義では地図の基本概念と地図作成の歴史について講義する。
第二に、地図の多様性を説明した上で、最も基本的な二万五千分の一地形図を中心に、地形、道路、建造物など地形図に描かれた記号を読み取ることで、
地図から当該地域の自然や人文関連の情報を読み取る (地図を片手に伊川流域を実際に歩き、地図と現実の景観を比較し、情報の精度を確認するつもりで
ある)。
第三に、本講義では、受講生諸君の関心領域と接点を持つ地理学分野の論文ないし文献に使われた地図類の紹介を通して、
地理学の考え方・手法を学んでゆきたいと思う。
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歴史情報論演習 I
水本 浩典
- 教育目標
- 日本中世社会を理解する
- 授業内容
- 本年度は、中世鎌倉時代の基本法典となった 『御成敗式目』 を中心に、逐条解釈を行う。メンバー各自が分担しながら、読み進める。
そのなかで、各条文に込められた意味を探る。方法は、「式目追加」 及び 『建武式目』 ・ 「建武以来追加」 並びに 「分国法」 にまで視野を広げて、
『御成敗式目』 が成文化した内容が、日本中世世界のなかで継承・変容していく姿を俯瞰したい。
この作業を通じて、中世的世界観を
日本史全体のなかに位置付けることができる理解を獲得してほしい。
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歴史情報論演習 I
大原 良通
- 教育目標
- 自己の研究テーマを追求すると同時に、 世界史の中での位置づけをおこなう。
- 授業内容
- 各自の研究テーマの限界や展望を見極めてもらうためにも、 卒業論文の再検討をおこなう。 そのうえで、 さらにテーマを発展させるか、 新たな研究テーマを模索することになる。
同時に、 より広い視野を養い、 語学力を高めるために中国語もしくは漢文で書かれた基本史料を輪読する。
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歴史情報論演習 II
水本 浩典
- 教育目標
- 日本中世社会の特殊性を理解する
- 授業内容
- 前期に引き続き、『御成敗式目』 の逐条解釈を実施する。この作業を通じて、中世社会固有の習慣やしきたり、ものの考え方など
、日本中世社会の特殊性への理解を深めていきたい。
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歴史情報論演習 II
大原 良通
- 教育目標
- 修士論文の構想にとりかかる。
- 授業内容
- 大雑把な修士論文への方向付けができた時点で、 関係論文の収集と批評を繰り返し、 専門的知識を深めてもらう。 この時点ではまだ、 できるだけ複数テーマを念頭においてすすめる。
先学の研究をまとめ、 修士論文でテーマとする研究史をまとめる。 授業ではその経過を逐次発表してもらう。
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歴史情報論演習 III
水本 浩典
- 教育目標
- 日本史学の分野のなかから、自己の研究テーマを発見する
- 授業内容
- この演習では、メンバーが各自持ち寄るテーマについて、互いに意見を出し合うディスカション形式で行う。そのため、担当メンバーは1週間に
次回のテーマを他のメンバーに提示すること。関連する論文については、担当者がメンバー分を用意して事前に配布すること。
演習時間では、
レジュメを配布し、このレジュメをもとに進めていく。
以上の作業を通じて、修士論文に繋がる研究テーマの確立と研究テーマへのアプローチの
深化を指導していく。
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歴史情報論演習 III
大原 良通
- 教育目標
- 修士論文の構想をほぼ完成させ、 参考資料・参考文献のまとめをおこなう。
- 授業内容
- 自己の修士論文に必要な、 参考資料・参考文献の選定をおこない、 先学の研究を確認し、 研究史をまとめる。
引用資料の解読、 釈読などを進め、 必要部分については、 さらに細かな解釈・考証をおこなう。
論文構成を完成させ、 それぞれの要旨をまとめる。
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歴史情報論演習 IV
水本 浩典
- 教育目標
- 自己の研究テーマへのアプローチを具現化する
- 授業内容
- 前期の演習㈽と同様な形態で進めていく。その過程で、修士論文へのアプローチについてもアドバイスをおこないたい。
各自修士論文に対する積極的なアプローチの深化と進展を促進できるような指導とアドバイスを主に実施する。
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歴史情報論演習 IV
大原 良通
- 教育目標
- 修士論文の完成
- 授業内容
- 歴史情報論演習Ⅲで作り上げた修士論文の構成にあわせて、 書き始める。 いくら完璧に構想を練り上げたとしても、 実際、 作業を進めていくとバランスが悪くなったりするので、 一度構想どうりに仕上げたあと、 不備な分部を補わなければならない。
したがって、 できるだけ前半で一度、 下書きを終え、 内容を再吟味した上で、 微調整をおこないたいと考える。
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