大学院 人間文化学研究科

研究科共通科目

人間環境論ワークショップ

教授 大塚 成昭

教育目標

世界および日本における地震発生について理解するとともに、地震災害軽減の方策について考える
授業内容

近年、毎年のように世界各地で大地震による被害が報じられている。自然災害の観点から人間環境を考えるとき、地震災害は最も注目すべきものの一つである。このワークショップでは、初めに、世界および日本周辺の地震発生の仕組みについて学ぶ。さらに、過去の被害地震について、事例研究を行う。その後、それらを基に、地震災害対策について考える。最後に、気象庁の地震カタログデータと地震解析プログラム SEIS-PC を用いて、日本各地の地震発生の様式を調べる。
第1回 はじめに
第2回 固体地球の営みとしての地震発生のしくみ
第3回 日本における過去の地震災害の事例研究1
第4回 日本における過去の地震災害の事例研究2
第5回 日本における過去の地震災害の事例研究3
第6回 外国における過去の地震災害の事例研究1
第7回 外国における過去の地震災害の事例研究2
第8回 外国における過去の地震災害の事例研究3
第9回 地震災害軽減策についての事例研究1
第10回 地震災害軽減策についての事例研究2
第11回 地震災害軽減策についての事例研究3
第12回 気象庁の地震カタログデータと地震解析プログラム SEIS-PC を用いた、日本各地の地震発生の様式の研究1
第13回 気象庁の地震カタログデータと地震解析プログラム SEIS-PC を用いた、日本各地の地震発生の様式の研究2
第14回 気象庁の地震カタログデータと地震解析プログラム SEIS-PC を用いた、日本各地の地震発生の様式の研究3

第15回 まとめ

心理学ワークショップI

教授 秋山 学

教育目標

テーマ:行動的意思決定(行動経済学)入門-選択を科学する
教育目標:「対人行動」や「消費者行動」などを考える上で、「選択」行動の特徴を理解することは避けて通れない。今回は「選択」という行為に対しての価値が社会・文化的にどのように異なるのか、そして、選択を左右する各種の意思決定バイアスなどについて考えていく。
授業内容

「選択」という行為は、日常的な営みであるとともに、自発的にも、非自発的にもなされる営みでもある。あまりにも日常的であるがゆえに、選択がもたらす価値は自明であるように見えてしまうことが多い。本授業では、Iyengar が著した『選択の科学(The Art of Choosing)』の読解を通して、この通念を打破し、「選択」の背景にある社会・文化的側面の意義、そして、認知的・情報処理的な側面からの諸特徴を理解することを目指す。選択という営みを、十分に科学の目で解き明かすことができているのかを、受講生とともに考えていきたい。
第1回:オリエンテーション:研究テーマとしての選択
第2回:本能としての選択
第3回:ストレス対処と選択可能性
第4回:個人的営みとしての選択と、社会的営みとしての選択
第5回:個人主義と集団主義
第6回:独自な存在を主張するための「選択」
第7回:自己意識と選択
第8回:選択の経験則を考える
第9回:幸福感と選択
第10回:選択は創られる1:流行は創られる
第11回:選択は創られる2:なせそのブランドを選ぶのか?-ブランドを「経験」する
第12回:豊富な選択肢は必ずしも利益にはならない
第13回:秩序立った選択
第14回:選択の代償

第15回:選択と偶然と運命の三元連立方程式

心理学ワークショップII

教授 山上 榮子

教育目標

アートセラピーの理論と実践の習得
授業内容 アーツセラピー(芸術療法)のひとつであるアートセラピーは、描画、コラージュ、粘土による造形など、視覚芸術領域を通しての自己表現によるセラピーです。葛藤が問題化している臨床群はもちろん、こどもや高齢者、発達障害児(者)の理解と援助のために有効な非言語的アプローチです。本ワークショップでは、イギリス・アートセラピーの理論と方法論に基き、日本での医療、教育、福祉などの諸領域で適用できることを目指します。グループ・ベイストの体験的トレーニングですので、他メンバーとかかわることを承知の上で参加してください。
第1回:オリエンテーション(グループ編成とルールの確認)
第2回:ひとりでのワーク(テーマを決めて)
第3回:ひとりでのワーク(自由に)
第4回:ペアでのワーク(テーマを決めて)
第5回:ペアでのワーク(自由に)
第6回:グループでのワーク(テーマを決めて)
第7回:グループでのワーク(自由に)
第8回:グループでのワーク(自由に)
第9回:クライエント・グループの体験1
第10回:クライエント・グループの体験2
第11回:クライエント・グループの体験3
第12回:クライエント・グループの体験4
第13回:グループでのワーク(テーマを決めて)
第14回:「母と子のアートで遊ぼう」
第15回:まとめ

人間形成論ワークショップ

教授 澤山 利広

教育目標

社会科学初心者を対象にした経済学の基礎知識の習得と運用力の涵養。
国内外の諸問題を解決するための処方箋の提示。
授業内容

初回の授業で受講生の関心・興味に基づき講義計画を決定します。講義担当者の専門は、開発経済学、NPO・NGO学、地域開発論、ボランティア実習などです。昨年度は開発経済学を学びました。
第1回 オリエンテーション
授業計画の決定(受講希望者は必ず出席して下さい)

第2回~15回 社会科学を用いた分析能力の獲得

社会構造論ワークショップ

教授 早木 仁成

教育目標

野外調査を体験する
授業内容

人類学の基礎をなす野外調査においては、行動や生活を直接観察するほか、写真撮影、録音、ビデオ撮影、動植物標本の作製、インフォーマントへのインタビュー、アンケート調査などを行わなければならない。また、そのようにして得られた資料は、研究室に帰ってデータ処理をされなければならない。

本ワークショップでは、主として野外での実習を通して、このような野外調査における必須の技術を身につけさせ、十分なフィールドワークの基礎作りを指導する。

社会関係論ワークショップ

教授 前田 拓也

教育目標

「他者を支援すること」の社会学
授業内容

このワークショップでは、「他者」と「支援」をキーワードとして議論を深める。
具体的には、おもに社会学の領域で言及されてきたさまざまなテーマ(病者/障害者、野宿者/ホームレス、ジェンダー/セクシュアリティなど)について議論する。
他者の生(生存/生活)を支援し、配慮し、尊重することには常に困難がともなう。支援をおこなうなかで、結果的にどうしても差別的であったり、加害的であったり、暴力的であったりしてしまう。しかしそれは、単に「しかたのないこと」だという以上に、この社会における自分の位置取りを知るうえで必要なことでもある。「支援」をおこなうなかで、驚くこと、おかしくて笑ってしまうこと、失敗すること、叱られてしまうこと、違和感をおぼえてしまうこと、不甲斐なさを思い知ること、いらいらすること。これらはすべて、自己と他者の「あいだ」でおこることであり、社会が規定する関係性そのもののなかから立ち現れてくるからだ。
ますます複雑さを増し続ける現代社会において、「他者を支援する」ことはいかにして可能か。そして、この社会のなかで「支援する/される」という関係性をどのように位置づけ、論じることができるかを考えていきたいと思う。

担当者がいくつかの論文を示し、そのなかから参加者の研究テーマに即して講読文献を選択し、演習形式で毎週順番に発表してもらう。これらの輪読を通して、講読テキストを自身の研究にひきつけ、むすびつける訓練の場とする。

文化構造論ワークショップ

教授 竹田 賢治

教育目標

日欧比較文化の基礎を学びます。
授業内容

第1週 日欧比較文化論に関する本はたくさんありますが、これから輪読するテキストについて説明します。興味を持った本にも挑戦してみましょう。
第2週 外からの日本発見
ピエール・ロチ『秋の日本』
第3週 外からの日本発見
ラフカディオ・ハーン『知られざる日本の面影』、『心』
第4週 世界に向けて日本を発信する
新渡戸稲造『武士道』
第5週 世界に向けて日本を発信する
岡倉天心『茶の本』
第6週 民俗文化の古層を求めて
柳田国男『山の人生』
第7週 民俗文化の古層を求めて
折口信夫『古代研究』
第8週 日本文化哲学の創造
西田幾太郎『善の研究』
第9週 日本文化哲学の創造
和辻哲郎『風土』
第10週 日本文化哲学の創造
九鬼周造『「いき」の構造』
第11週 さまざまな美意識
(1)川端康成『美しい日本の私』、(2)谷崎潤一郎『陰翳礼賛』
第12週 さまざまな美意識
(1)柳宗悦『雑器の美』、(2)ブルーノ・タウト『日本美の再発見』
第13週 伝統への反逆と革新
(1)坂口安吾『日本文化私観』、(2)岡本太郎『縄文土器―民族の生命力』
第14週 近代西欧社会モデルか伝統日本文化か
ルース・ベネディクト『菊と刀』
第15週 近代西欧社会モデルか伝統日本文化か

(1)丸山真男『日本の思想』、(2)土居健郎『「甘え」の構造』

芸術文化論ワークショップI

教授 伊藤 茂

教育目標

上演批評を書く
授業内容 演劇において上演批評とか劇評とか言われる文章は、観客の感想を代表するものとして貴重な資料になりうる。もちろん批評にもさまざまなレベルがありうる。この授業では、実際に上演批評を書いてもらい、よりよい批評文とはどのようなものかを考えていく。そのための前提として、しばしば劇場に行き演劇を鑑賞することは必須の作業(義務)となる。

芸術文化論ワークショップII

教授 桑島 紳二

教育目標

情報社会における情報発信の作法を修得する。
授業内容

数年前より出版業界では、若者や女性をターゲットにした学術系新書の創刊が相次ぎ、人気を集めている。活字離れによる出版不況の中、身近な内容の新書を次々投入し、新たな読者を引きつけている。こういう現象を「知のコンビニ化」と称して眉をひそめるひともいるが、ケータイで忙しい若者たちが新書をきっかけとして読書習慣がつくのであれば意義のあることである。

ところで、新書ブームを出版サイドから見れば、売れる企画や書き手がなかなか見つからないという状況にある。つまり本を著すことはわれわれが思っているほど敷居は高くない。ただし、企画がおもしろければの話だが。

そこでこの授業では、新書向きの持ち込み企画を立てて実際に出版社にアプローチする。そういうプロセスを経験することで、情報発信の作法を実戦で身につけよう──というのがこの講義の狙いである。
専門分野での研究内容をそのまま世間に発信してもウケない。興味深いけれど研究とは直接関係ない情報が意外にウケるかもしれない。そのような自分が今まで貯めこんできた知識を、社会という視点で見直して棚卸ししてみる。


情報社会である現代、研究者の道を歩むにせよ、社会で働くにせよ、世の中に向けて情報発信していく作法を身につけておくことに損はない。また、企画が評価され出版への道が開けるかもしれない。

言語文化論ワークショップI

教授 野田 春美

教育目標

論理的な文章を書くための文章表現力を身につける
授業内容

修士論文執筆の前段階として、論理的な文章を書くための実践的なトレーニングを行う。自分の考えを人に伝えるというのはどういうことか、構成を整え、読みやすい流れを作るというのはどういうことか、体験しながら学んでほしい。
第1回 文章表現力の確認(テスト形式)
第2回 課題文1の構想(執筆は次回までの宿題とする)
第3回 課題文1の相互コメント(改稿は次回までの宿題とする)
第4回 課題文1改訂版の相互コメント、完成
第5回 課題文2の構想(執筆は次回までの宿題とする)
第6回 課題文2の相互コメント(改稿は次回までの宿題とする)
第7回 課題文2改訂版の相互コメント、完成
第8回 課題文3の構想(執筆は次回までの宿題とする)
第9回 課題文3の相互コメント(改稿は次回までの宿題とする)
第10回 課題文3改訂版の相互コメント、完成
第11回 期末レポートの構想(草稿執筆は次々回までの宿題とする)
第12回 期末レポートの途中段階の報告と検討
第13回 期末レポート草稿の相互コメント(改稿は次回までの課題とする)
第14回 期末レポート改訂版の相互コメント、完成(完成版が期末レポートとなる)

第15回 期末レポートの相互披露、まとめ

言語文化論ワークショップII

教授 熊田 俊二

教育目標

ことばと文化の諸相
授業内容

実例の言語分析を実際に行いながら、視野を広げるための体験的学習をしたい。例えば、日本語を世界の諸言語の中の1つの言語として分析した場合、どのような特徴と傾向を持った言語なのかを垣間見ることが出来るのではないだろうか。さまざまな言語データを観察しながら、その言語の特徴を整理し、分析のプロセスを通して、各言語を支える文化・発想の特異性と普遍性、さらには一般に言語とはどのようなものなのか、などを考えてみたいと思う。
授業の方法としてはまずテキストを精読し、それをもとに議論をしてゆく予定。
第1回・第2回 日英語対照研究について
第3回~第14回 テキストを精読し検討する

第15回     まとめ

表現言語論ワークショップI

教授 植村 眞知子

教育目標

平安時代の百科事典ともいわれる『枕草子』を読むことで、平安時代文学の基盤にある当時の生活文化を理解する。
授業内容

第一章段から順次読み進める。

表現言語論ワークショップII

教授 久保田 重芳

教育目標

芸術とモラルについての基本的な問題点について理解を深める。
授業内容

イギリスの小説家D. H. ロレンスの文学論(英文)を読み、そこに提示されている芸術とモラルに関する様々な問題点を手がかりにして、現代文学が抱える課題や困難について理解を深める。
あらかじめ各自の発表箇所を決めておくので、用意周到な準備のもとに順次発表していく。
第1回    導入、授業の進め方の説明
第2回-14回 各自の発表と問題点の指摘と討論

第15回    まとめ

表現言語論ワークショップIII

教授 南森 孚

教育目標

トーマス・マンの自伝的作品を手がかりにして、作家の人生と小説の成立との係わりについて考察していく。
授業内容 トーマス・マンは1929年にノーベル文学賞を受賞しているが、この受賞を切っ掛けに、その半生を綴った自伝的随想「Lebensabrβ」(『略伝』)を書き上げている。この作品の中から、小説家の人生とその諸作品との係わりについて読みとっていく。またその中でゲーテの「Dichtung und Wahrheit」(『詩と真実』)についても言及しており、ゲーテについても考察していく。

歴史情報論ワークショップ

教授 植田 俊郎

教育目標

フランス革命における議会への報告書の数量分析の方法の習得
授業内容 フランス革命期の国民公会への地方からの報告書(意見書)を計量的に分析することによって、ジャコバン独裁の構造と変容を理解する。そのために、先ずミシェル・ヴァヴェルの研究および『フランス革命の図表』における典型例をとりあげ、計量分析の方法と成果を理解する。そして国民公会の議事録から共和暦第二年ヴァントーズの所謂コルドリエ(またはエベール)派の蜂起に関する地方の民衆協会からの報告書を抽出し、地域ごとに、蜂起への賛否、記載人物名などの項目毎に分類し、それらを数量的に分析し図表化する。最後に、図表化された歴史情報からジャコバン独裁の意味、つまりその構造と変容を探る。

情報処理ワークショップI

教授 上椙 英之

教育目標

高度情報処理能力の総合的な向上
授業内容

情報機器が日常にありふれた存在となっている現在、ワープロソフトで文章を作成し、表計算ソフトで計算を行い、インターネットで情報を検索することは当然の技術と言える。しかし、大学院の研究活動においては、ワープロソフトによる数十~数百ページに及ぶ文章の構造化、DTP 機能による正確な文章のパーツの配置、複数人による文書の校正の繰り返し作業、表計算ソフトによる簡易データベースの作成や、複数のファイルの一括処理など、より高度な技術が必要とされる。
また WEB 上には、各種の研究系データベースや、論文(文献)管理ソフトウェアなど、研究に役立つソフトウェア・サービスが多く公開されている。

本ワークショップでは、この様な技術を利用する上でのリスク管理も含めて、大学院生に見合った、より高度な情報リテラシーを身につけてもらう。

情報処理ワークショップII

教授 上椙 英之

教育目標

データベースの理解と構築、運用の習熟
授業内容

データベースという言葉は、狭義には、「特定の目的に応じて大量のデータを集めたもの」というデータ部分だけを指すが、広義には、「管理・検索するソフトウェア(データベースシステム)」を指す。データベースの活用方法の一つには、図書館の蔵書検索やインターネットでの WEB 検索に代表される、「他人が準備してくれたデータベースを利用する」という方法が挙げられる。もう一つの活用方法には、自分が所有するCDや書籍の一覧表をつくったり、住所録をつくったりするという「自分の情報整理のためにデータベースにする」という方法がある。


本ワークショップでは、Microsoft Access を使用し「自分の情報処理のためのデータベース」の構築を目指す。先ずは、利用する目的に応じたデータ構造の設計から、データの入力、条件による検索、様々な形式での出力という活動をおこない、データベースの仕組みを理解し、データベース構築の方法の習得を目指す。その後、構築したデータベースを使い、必要な情報の抽出、論理演算の理解、データの型に合わせた条件式の入力、複数に構築されたデータベース上の関連データの結合などのデータベースの運用の習熟を目指す。

英語論文作成ワークショップI

教授 グリーサマー、 M.

教育目標

Classmates working together in pairs and groups, students learn to enjoy writing as a process of creation, collaboration and revision.
The teacher will expect : i. good attendance,  ii. enthusiastic participation in class  iii. regular preparation of homework assignments.
授業内容

1. Course rules / Introduction
2. Greeting / Classroom English
3. Getting Acquainted-writing about someone in class
4. Parts of a Paragraph
5. Review Punctuation and use of capital letters
6. Practice taking notes-vocabulary use.
7. Unity and Coherence
8. Writing about someone you admire
9. Peer check
10.Brainstorming and Outlining
11.Opinion letter
12.Edit your writing
13.Open day
14.Work on Final presentation
15.Final presentation

英語論文作成ワークショップII

教授 グリーサマー、 M.

教育目標

Classmates working together in pairs and groups, students learn to enjoy writing as a process of creation, collaboration and revision.

The teacher will expect : i. good attendance, ii. enthusiastic participation in class iii. regular preparation of homework assignments.

授業内容

1. Course rules / Introduction
2. Writing Instructions
3. Adding Emphasis Unit 10
4. Pre writing
5. First draft
6. Editing
7. Writing Project start
8. Writing a letter to keep in touch
9. Prepare for Final paper
10.Check Final paper
11.Peer editing
12.Open
13.Peer editing
14.Prepare final draft.
15.Final quiz/paper